2009年6月30日火曜日

エキマニ製作中 3

 「4→2」の部分まで組み上がったエキマニですが、その先のレイアウトを、予定から大幅に変更せざるを得なくなりました。

 A3の排気管は、三菱ジープやナナマルあたりと同じく、エンジンルームから右前ホイールハウス内を通過し、右前席フロア下へと導くレイアウト。そのため、新たに製作する排気管は、エンジンルームからホイールハウスへ入るあたりで「4→2」へ、そして右前席フロア下で「2→1」に集合させる予定としていました。
 しかし、改めてフルバンプ状態でフルステアした時の、タイヤと排気管のクリアランスを確認すると、予定していたレイアウトでは、残念ながら干渉してしまうことが分かりました。
 取り回しを変更してどうにかなるものではなく、スペース的に無理となれば、もはや予定を変更するしかありません。排気管を1本にまとめた状態であれば、タイヤとの干渉はギリギリ避けられるので、やむを得ずホイールハウス内で「2→1」へと集合させることにしました。

 「2→1」集合部からサイレンサーまでは、およそ1mほどあるのですが、その間の管径をいくつにしようか、ちょっと悩んでいます。

2009年6月29日月曜日

エキマニ製作中 2

 週末は遠方より来客があったり、脳内時差調整(要は昼寝)をしたりと、実作業時間はあまり取れませんでしたが、それでも少しは作業を進めました。

 以前より、だらだらと製作しているエキマニの、4→2の部分が組み上がりました。第一作目のエキマニなので、形になった(まだ製作途中ですが)だけでもヨシとすべきなのかも知れませんが、ビートの揃いは…。「付く」という意味では問題ないのですが、美麗さを求めてしまうと、修行の足りなさを痛感せざるを得ません。
 年に1瓶炊く程度の使用頻度だと、なかなか上達しないのか、あるいはセンスの問題か? 以前より一度、TIG溶接の技能講習に行きたいとは思っているのですが、なかなか実行に移せていません。
 それはともあれ、A3の、というかプジョー205のエンジンは、エキマニのフランジ配置が左右対称のため、エキマニを製作する際に、205純正鋳鉄製エキマニを裏返し、治具として使用できるのは、実に好都合でした。定盤上で確認すると、純正エキマニの面はきっちり揃っていましたので、これにしっかりとフランジを固定し、パイプを溶接していくことで、歪みを最小限に抑えることができました。
 こうした使い方には、剛性のある鋳鉄製のエキマニは「最高」ですね。

2009年6月28日日曜日

リアディスク化へ 8

 ガレージに出掛け、件のリアキャリパーをアクスルに仮合わせしてみました。

 結論からいえばこのキャリパーは、「互換性アリ」。右後輪の「10時半」の位置にキャリパーを固定することで、パーキングブレーキワイヤーの干渉問題もクリアできました。また、手持ちのローター(外径296mm)で検証した限りでは、使用予定の外径310mm、厚さ22mmのローターと組み合わせても、パッドがローター外周からハミ出るようなこともなく、大きな問題はなさそうです。

 ただし、アクスルにキャリパーを固定するブラケットについては、やや複雑な構造を採らざるを得ないようです。実際に使用するローターを入手しないことには、正確な寸法が出せないのですが、どうやらハブベアリングをアクスルハウジングに押さえつけている部品「リテーナー」を、一体構造としたブラケットを製作しないと、キャリパーの位置出しが難しそうです。

2009年6月27日土曜日

ホイール選び

 対向ピストンのキャリパーを流用するにあたっては、ホイールの選択も課題のひとつ。

 対向ピストンのキャリパーは、ローターを挟んで両側にピストンが位置するため、シングルピストンの片引きキャリパーに比べるとサイズ(とりわけ幅)が大きくなります。元々対向ピストンのキャリパーが組み合わされているローターの中には、ハット部の高さを大きく取り、ホイール取付面からキャリパーが突出しないように設計されているものもあるのですが、シングルピストン用のローターに、対向ピストンのキャリパーを組み合わせて使うとなると、どうしてもキャリパーがホイール側に飛び出してしまうのです。

 ここで問題となるのが、ホイールとキャリパーのクリアランス。実際、アクスルスワップをして、CJ7のアクスルにFD3Sのフロントキャリパーを流用している私のA3でも、純正のホイールや手持ちのブラッドレーVは、キャリパーと干渉するため装着できなくなってしまいました。
 最も安直な解決策は、ホイールスペーサーを装着して逃がすというものですが、これをフロントで常用することには躊躇いがありました。そこで「ビッグキャリパー対応」と唱われている乗用車用のホイールのように、キャリパーを逃がす断面形状を持つホイールを探した結果、主にジムニー用として市販されているアルミホイール「レボルバーR5(5.5J×16 オフセット±0)」を手に入れました(生まれて初めてのシンピン購入!)。

 この「レボルバーR5」の(オフセット±0)モデル、端的にいえば(オフセット+22)仕様にホイールスペーサーを一体化させて(オフセット±0)としたような形状となっています。強度的には少し不利だと思うのですが、こと対向ピストンのキャリパーと組み合わせて使用するには、非常に適したものです。前記の私のA3でも、キャリパーとのクリアランスは十二分に確保されましたので、機能的にはとても満足しています。

 ちなみに「レボルバーR5」以外だと、「Jドリーム」というホイールも使えそうです。こちらには(オフセット-20)という、アララな仕様もラインナップされています。

2009年6月26日金曜日

リアディスク化へ 7

 自宅で保管しているもう1台のA3に、ひとまず候補のキャリパーを仮合わせしてみました。

 正確な位置出しはせず、純正ドラムの上に仮置きしただけですので、実際の装着位置は写真よりも40mmほどハブセンター寄り。それにしても、予想以上にタイトです。
 実際に装着するA3は、燃料タンク(キャリパー右奥に写る黒いモノ)をコンパクトな別形状のものに作り直してあるので、写真(左後輪)でいう2時〜3時の位置に装着できる可能性が高いかと。結局のところは今週末、ガレージでしっかりと実車確認する必要がありそうです。

 とりあえずの結論として、キャリパーの選定は間違っておらず、一安心。半歩前進といって良いのか微妙なところですが、改めての実車合わせが楽しみです。

※このパーキングブレーキワイヤーの取り回しだと、イケるのではないでしょうか?>リーフな三菱ジープの皆様方

何で気づかなかったんだろう

 入手したリアキャリパーの、実車仮合わせ。

 考えたら週末にガレージへ行くまで待たずとも、自宅で保管しているもう1台のA3(ディーゼルモデル)で事足りることに、今更ながら気がつきました…。

 我ながら、気づくのが遅すぎっ。

 えっ、もしかして、歳?

2009年6月25日木曜日

リアディスク化へ 6

 このタイトル末尾の数字は、いくつまで続くのだろうか? と、
ふと思う今日この頃であります。

(限られたネタで頁を引っ張るのは、職業柄得意としておりますので、何卒ご容赦下さい)

 気を取り直して、昨日届いたキャリパー。

 先日試したFD3Sのリアキャリパーとの大きな違いは、パーキングブレーキケーブルのレイアウトにあります。今回入手したキャリパーは、車体左右方向、つまりリアアクスルと平行にワイヤーを取りまわします。
 FD3S用のキャリパーを入手するまでは、むしろこの「ワイヤー平行タイプ」の方が、コイルスプリングやショックアブソーバーと干渉する可能性が高いと思っていたのですが、さにあらず。右後輪を横から見て、10時の位置に固定すれば、これらとの干渉が避けられるのです。パーキングブレーキのワイヤーも邪魔にならない高さとなるはず…と読んでいるのですが…さていかに。今週末はガレージに出掛けられそうなので、実車確認してきましょう。
 ちなみにキャリパーの固定位置は、重心位置を重視するならホイールベース間、冷却性能を優先するなら車軸後方、とされるようで、このキャリパー本来の取付位置は前者(同2時の位置)でした。いずれもウチのクルマには、全くもってご縁のない速度域でのオハナシですが。

2009年6月24日水曜日

Zoom-Zoom

 手配していたリアキャリパーが、届きました。

 詳細は改めて記しますが、恐らくはこれで「決まり」だろうと思えるくらい、諸条件(値段も含めて)に合致したキャリパーです。

 …各部を観察していると、どこか違和感が。よく見ると、ブリーダーが2方向についているでは、ありませんか。

 内部構造を確認していないので、断定はできませんが、これってローターの3時方向、9時方向のどちらにでも装着できる、ってコトか? だとしたら、流用するには何ともありがたい、汎用性の高さ。感無量です。

ディスク化、キャリパースワップ 雑感

 今回、リアブレーキのディスク化を検討する中で感じたのは、元々ディスクブレーキのクルマのキャリパーをスワップするより、むしろドラムブレーキのクルマをディスク化する方が、実作業上での制約が少ない、ということ。

 元々ディスクブレーキのクルマのキャリパーを換装しようとすると、ナックル側に生えている純正キャリパー用のステーが邪魔となる場合があります。これが時として流用するキャリパーの選択肢を、狭めることになりかねず、私がRX-7(FD3S)のキャリパーを選択した理由は、このあたりにもあったりします。
 ドラムからディスクへの変更であれば、少なくともこうした制約がありません。

 写真のキャリパーの銘柄は…、あえて記すまでもないですね。

2009年6月23日火曜日

フロントブレーキのキャリパースワップ

 このWeblogでは、リアブレーキの話題から書き始めてしまいましたが、実作業ではフロントブレーキのキャリパースワップを、先行して進めています。

 A3のフロントブレーキ、というより、フロントアクスルそのものをCJ7のものに換装しているので、早い話がCJ7のフロントディスクブレーキ(ベンチレーティッド)には、いかにも安っぽいシングルポットの片引きキャリパーが組み合わされています。
 もちろん、キャリパーのピストンの数で絶対的な制動力が決まる訳ではないのですが、A3純正の片引き2ポットからスペックダウンすることにもなり、気分的にどうしても耐えられませんでした。CJ用のアフターパーツも探してみたのですが、キャリパーのコンバージョンキットは見あたらず、どうせならと他車用の対向4ポットキャリパーを流用することにした訳です。
 キャリパーの候補はいくつかありましたが、ナックル(純正キャリパー用ステー)との位置関係や、ローター厚との兼ね合い、補修部品の入手性などを検討し、最終的にはRX-7(FD3S)のものを選択しました。
 試作ステーでマッチングを確認したのは、実は随分と前のことだったりしますが、最近になってようやくとアダプター(ブラケット)の図面を起こし、知り合いの加工屋さんに製作を依頼しました。加工から上がってきたら、早速装着してみましょう。

2009年6月22日月曜日

とりあえず

 某車のリアキャリパーを押さえました。豚丼(並・たまごナシ)3杯に相当する、思い切った投資です。

 西の“同志”の存在が良い刺激となって、作業のペースアップが図れそうな予感。

エキマニのジグは「手摺」

 仕事机の前にロックオンが続く今日この頃につき、手持ちのネタで。

 現在製作をしているエキゾーストマニホールドですが、取り回しが決まるまでには、それなりの苦労がありました。そもそも、エキゾーストポートの配置が不均等なエンジンであることに加え、エンジンルームのスペースに余裕がなく、4→2への集合位置が限定されるといった制約の中で管長を揃えるとなると、成り行きに任せる訳にはいかないからです。
 本職の方はしっかりとしたジグを使って検証されるようですが、限りなくゼロに近い当方の使用頻度を考えると、そこまで本格的なジグは要りませんし、作ったところで元がとれません。

 そこで、加工がしやすく単価の安い木製の手摺用丸棒を、丸ノコで15mm幅で輪切りにし、中央に穴を開けて番線を通して、蛇腹ホース状の「簡易ジグ(モックアップ?)」を作ってみました。さすがに手摺はインチ規格ではないらしく、使用するパイプより若干径は小さいのですが、とりあえずはこれを4本(4気筒なので)作り、パイプの曲げRに合わせて湾曲させてみると…、具体的な「完成予想図」が見えてきました。

 掛かった費用は1000円程度ですが、値段の割になかなかいい仕事をしてくれました。次に使用するのは何年後か分かりませんが、労をねぎらい、大切に取っておくとしましょう。

2009年6月21日日曜日

ふと気がつくと

 愛用している仕事椅子(クリーパーに非ず)の「回転半径」内に、各車の整備解説書が30冊以上…。

 要は、整備解説書の山に埋もれて仕事しています(整備士ではありません、重ねて念のため)。

 現在仕事の佳境につき、業務関連で必要な整備解説書が、このうちの2/3。残りの1/3は…、個人的趣味で引っ張り出してきたもの。仕事が一段落となるまでガレーヂ出勤を自粛しているので、「脳内妄想」でガマンしています。
 
 さっさと稼いで、ローター買おう。

2009年6月20日土曜日

リアディスク化へ 5

 リアブレーキのディスク化に必要となるブレーキローターについて、捜査線上にホシが浮かびました。

 さらに調査を進めようと思っていた矢先、奇しくも500km彼方の知人が、同じようにローターを探しているとのことで、さっそく情報交換(長電話スミマセン)。手持ちの情報を互いに交換した結果、一定の結論を導き出すことができました。
 氏はフロント、私はリアのディスク化を目指しているという違いはあるものの、ローターに求める条件は、ほぼ同じです。これまでのリサーチを通じて最良と判断した、外径310mm t=22mmのローターに狙いを定め、とりあえずどちらかが入手して、試してみるとしましょう。
 それにしても、同志(でよろしいでしょうか?)がいてくれると、心強い限りです。 

 ちなみに、キャリパーはまだ入手していません。世間一般では需要がないものなので、常に捨て値なのですが、それだけにとことんリーズナブルに入手したいという貧乏人根性が、未だbidを躊躇わせております。

2009年6月19日金曜日

RX-7といえば

 RX-7(FD3S)って、いかにもバブル世代のクルマらしく、スペアタイヤのホイールやパンタジャッキまで、アルミ製のものが奢られていました。

 以前より、機会があったらこのアルミ製ジャッキを手に入れようと思っていたのですが、最近になってブレーキキャリパーと一緒に入手することができました。現物を確認するとドイツ製で、製造元はこちら。ジャッキ本体だけでなく、クランクハンドルまでアルミでできています。
 能力は800kg、乗用車用なので揚程が不足気味ですが、木っ端を敷いて使えばよい…って、それではわざわざ軽いジャッキを積む意味がないか。まあ、お道具道楽ということで、良しとしようではありませんか。

 FD3S以外だと、フェアレディZ(Z32)も、同じくアルミ製ジャッキを採用していました。Z32は純正輪留めもアルミ製なので、これにもちょっとソソられます。

2009年6月18日木曜日

CADの活用

 本格的な3次元CADのような機能はないにせよ、シェアウェアの2次元CADレベルでも、簡単なシミュレーションは可能です。

 たとえば、サスペンションの各部寸法を座標として入力しておけば、ストロークした状況を画面上でシミュレーションすることができ、そこからアームの補正量やショックアブソーバーの最大長や最短長を導き出せます。
 もちろん、最終的には現物で確認するのが確実ですが、机上で一定の結果が得られるので、これがなかなか便利です。

 画像は、A3のフロントサスペンションがストロークした状態を、画面上でシミュレーションした時のもの。センターAアームのボールジョイントの作動角なども、一発で分かります。

2009年6月17日水曜日

CADは愉し

 加工屋さんに製作を依頼する部品の設計や、あるいは部品を可動させた時のシミュレーションに、CADを使用しています。

 使っているのはシェアウェアの2次元CADですので、機能は限られているのですが、それでも関数電卓とT定規の時代に比べれば、隔世の感があります。
 部品を設計する際には、角度や寸法が正確かつ容易に指示できるので、操作に慣れてしまうと、ちょっとしたモノでもCADで図面を起こすようになってしまいます。また、CADソフトを入れてあるノートPCを持ち歩いていれば、作業している傍らで図面を起こすことができるので、なかなか便利です。

 画像は、フロントブレーキのキャリパー流用アダプター(ブラケット)の図面。そろそろ加工屋さんから上がってくるはずです。

2009年6月16日火曜日

ジムニー SJ40

 たまにはA3以外のクルマの話題でも。

 過去、ジムニーSJ30とJB32をクロカンマシンとして乗り継ぎ、その後もJA11をアシに使ったりと、常に1台はジムニーを所有してきました。そして現在も、SJ40V(ジムニー1000)を廃道専用車として山に置いてあります(存在を忘れていることがたまにあったりしますが)。
 パワーはたかが知れているものの、軽量な車体とレスポンスに優れたF10A型の組み合わせには、後のジムニーで薄れていった「運転する楽しさ」が、残っているように思います。

 SJ30のT/FとJA71のM/Tに換装してローギアード化、スプリングも社外品を組み込んだ上で、7.00-16のグルービング下駄を履かせてあるので、最低限の走破性を備えています。もちろん廃道を走らせると不満もありますが、苦労を含めて楽しもうと思っているので、SJ40に関しては、これ以上費用を投じて手を入れるつもりはありません。
 むしろ年式の割にボディの程度が良く、惜しげ無く走るには若干支障があることの方が、不満だったりします。

2009年6月15日月曜日

エキマニ製作中

 排気管作り直しの第一段階として、エキゾーストマニホールドを製作しています。A3純正のエキマニって、ちょっと許せないクオリティ(夏休みの工作並か?)でして、絶対に使わないと心に誓っていたのです。

 本当は手曲げの世界に足を踏み入れてみたかったのですが、新たに酸素やアセチレンの設備を入れるほどの投資もできないので、ステンレス(SUS304)の曲げパイプを組み合わせて製作することにしました。
 エンジンルームがタイトなため、各気筒の管長を揃えるのには苦労しましたが、何とか取り回しも決定。エンジン側のフランジはレーザーで抜いてもらい、材料も揃いました。

 レイアウトは4-2-1、パイプはそれぞれφ38.1-42.7-50.8mmのものを使用します。2リッタークラスのクルマ用の市販エキマニに比べると、「4-2」の部分の径を絞っているのは、低〜中回転域でのエンジントルクを確保するためです。

2009年6月14日日曜日

リアディスク化へ 4

 ガレージに出かけ、A3のリアアクスルにFD3Sのリアブレーキキャリパーを仮合わせしてみました。
 事前にある程度予想はしていましたが、やはりキャリパーに接続されるパーキングブレーキのワイヤーが、コイルスプリングやショックアブソーバーに干渉してしまい、残念ながら装着不可能であることが確定しました。

 結果としてFD3Sのキャリパーは無駄となってしまいましたが(嘆くほどの金額ではないとはいえ)、今後キャリパーとローターを選択するにあたってのポイントが、具体的に見えてきたことは、大きな収穫といってよいでしょう。
 キャリパーについては、パーキングブレーキワイヤーが車体左右方向、つまりデフの方向に導かれるタイプを選択した上で、リアオーバーハング側に寄せて固定すれば、干渉を避けられそうです。すでに該当車種(キャリパー)には目星がついているので、リーズナブルな出物を待つとしましょう。
 またローターの選択にあたっては、外径とハット部(ハウジング)の径の差が一定寸法以上ないと、ブレーキパッドがローター外周部からはみ出してしまう可能性があります。FD3Sのキャリパーを仮合わせしたことで、目安となる数値が得られましたので、ローター選択の参考にしたいと思います。
 パーキングブレーキワイヤーについては、FD3S用のものが程良い長さでしたので、できればこれを流用したいところです。


※1枚目の写真は、A3純正アクスルにキャリパーをあてがったもの。2枚目の写真は、三菱ジープのリアアクスルにローターとキャリパーを仮合わせしたものです。

2009年6月13日土曜日

AUVERLAND A3の維持(後編)

 私があれこれ手を入れている目的は、もちろん性能向上にあるのですが、同時に部品の入手性を改善することにもあります。つまり、できるだけ一般的な部品に置き換えることで、比較的リーズナブルかつ容易に、そして将来に渡って安定的に補修部品を入手できるようにしていこう、という訳です。

 すでにエンジンは、プジョー205のもの(O/H済)にインジェクションシステムごと換装してあり、さらにスペアエンジンを2機確保しているので、部品には困りません。またアクスルもCJ7と三菱ジープ用に換装しますから、当面の問題はなくなります。ブレーキについても、前後RX-7純正キャリパーに換装すれば、インナーキットを街の部品商で買えるようになるでしょう。唯一、オーバーランド内製のトランスファーだけは部品の流用が効きませんが、それ以外の基幹部品については、おおよそ何のクルマから転用されたものかを把握しているので、どうにかなってしまいます。
 もともとが少量生産車だけに専用部品は限られ、あったとしても汎用工作機械で作られたものであることが、皮肉にも「維持のしやすさ」につながっているのです。

 こうしたA3の「扱い」に慣れてしまうと、むしろ「メーカー純正」という名の、互換性に乏しい専用部品に縛られている国産車の方が、私には息苦しく思えます。

2009年6月12日金曜日

AUVERLAND A3の維持(前編)

 流用だの加工のネタばかりを書き連ねていると、いかにも「維持に苦労が絶えないクルマ」という印象を与えてしまうかも知れません。確かに、部品商に電話1本入れれば、翌日には部品が揃う国産車のような感覚で、お付き合いするのは無理というものです。
 では、実際に部品の入手に苦労しているかといえば、さほどではありません。むしろ、国産旧車より遙かにマシだと思います。

 補修部品については、原則としてすべて、フランスのメーカー(パナール)から直接取り寄せることが可能です。支払が銀行送金なのは不便ですが、入金確認後1週間から10日程度で届きます。以前、先方の手違いで発送漏れがあった際には、クレームのメールを入れてから、わずか3日で部品が送られてきたこともあります。A3は基本的に軍用車ですし、エンジン等に違いこそあれ現行モデルなのですから、考えてみれば当然のことですね。
 エンジンやトランスミッションといった、メインコンポーネントの多くは、量産車(プジョーもしくはルノー製)から転用しているものなので、あえてメーカーから買う必要はありません。またボディパネルについては、仮に在庫がなくてもCAD-CAMデータをもとに、オンデマンドで製作してくれるので、欠品とは無縁です。もっとも金型で押しているボディパネルは皆無ですから、シャーリングとベンダーを持っている鉄工所であれば、ほとんどのものが製作できるはずです。送料を考えると、むしろその方が割安かも知れません。(以下続く)

2009年6月11日木曜日

溶接は男のロマンです

 知り合いから問い合わせの電話を頂きました。何でも「溶接機を買おうか考えている」と。

 これまで当方、スパナからコンターマシン、果ては工業用ミシンに至るまで、作業に必要な工具や設備を揃えてきましたが、その中で「最も有効活用しているものは何か?」 と問われれば、迷わず「溶接機」と答えます。

 当初は、出始めの100V半自動機でボディの切り貼りをしていたのですが、案の定性能に限界を感じ、日立製の交直デジタルTIG(単相200V)に入れ替え、数年が経ちます。独身生活最後の投資という口実のもと、シンピンを導入したのでそれなりの出費となりましたが、すでに元は取ったような気がします。まだまだ使いこなすには程遠い状況ですが。

 頭の中で用途が思い浮かばない人にとっては、全くもって不要な道具ですが、「溶接機さえあれば…」と常々思っている方ならば、思い切って手に入れても後悔はないと思います。

 夢が広がりますよ、きっと。



※100V機は「夢破れる」可能性が高いので、オススメしません。

2009年6月10日水曜日

情報収集

 他のクルマの部品を流用するには、入念な事前調査が必要です。

 かつては解体屋さんのヤード巡りに時間を費やしたものですが、ネット上でもある程度情報が得られるようになり(精度に?はありますが)、便利な時代となりました。

 以前、フォードエスコート・コスワース用のラジエータを探し出した時も、デンマークのラジエータメーカーのサイトでサイズや形状を確認した後、価格調査。ヨーロッパで純正相当品を買うよりも割安だった社外オールアルミラジエータを、アメリカのショップからebay.com経由で買いました。届いたラジエータが、まるで誂えたかのようにA3のエンジンルームに収まった時には、嬉しかったものです。恐らくはフォードエスコート・コスワースの解体車に、国内の解体屋さんで遭遇する可能性はゼロに等しいでしょうから、世界を股に掛けた情報戦の勝利(大げさか!?)といったところでしょう。

 それはさておき、今回ブレーキの流用を検討するにあたっては、プロジェクトμのサイトを参考にさせて頂きました。国産スポーツカーのローター寸法が掲載されているので、そこからキャリパーの対応ローター厚が分かります。輸入車のローター寸法については、DIXCELのサイト内の適合表が網羅している(それも、かなり充実しています)のですが、国産車のものについての掲載はありません。惜しいというか、なぜだ?

 というわけで? やっぱり解体屋さんのヤード巡りもやめられません。先日も、イプサムのラジエータホースの絶妙な曲がり具合に“歓喜”し、収穫してきました。自動車リサイクル法がらみで、昔ながらの解体屋さんが淘汰されてしまったこのご時世、行きつけのお店も大切にしていきたいものです。

 お買い上げの際には、コーションプレートのメモをお忘れなく。

リアディスク化へ 3

 リアブレーキをディスク化するにあたり、キャリパーとともに他車用を流用することになるのが、ローターです。

 乗用車用のローターは、ホイールスタッド(ハブボルト)のPCDが異なり、ハット部の直径も小さいために流用できません。また、PCDが同じ四輪駆動車用でも、6Hのものを流用するとなると、ホイールスタッドの穴を5H用に開け直すことになるので、強度面での不安が残ります(ドラムインディスク化を断念した理由のひとつでもあります)。
 となると、選択肢は自ずと限られ、事実上エスクードもしくはジムニーのフロント用しかありません。

 で、歴代エスクードの整備書をもとに調べてみると、おおよそ3種類あることが分かりました。ただし、外径については確証が得られず。もともとスズキの整備書にはローター外径ではなく、有効径(パッド中心までの距離)しか記載されていなかったのですが、比較的最近の整備書には、それさえもありません。ソリッドが290mm、ベンチが290もしくは300mmだと思うのですが。

 ちなみに、ジムニー(JA12/22)とエスクード(TA01)のローターは共通です。

2009年6月9日火曜日

駄犬の散歩で

 道端のクルマのブレーキキャリパーに、つい目がいってしまいます…。

 スポークの細い大径アルミホイールの中身がドラムだと、幻滅ですが。

リアディスク化へ 2

 RX-7(FD3S)純正のリアブレーキキャリパーを入手してみました。パーキングブレーキ機構付シングルピストンの、何の色気も感じられないスチール製キャリパーです。

 三菱ジープのリアアクスルをディスクブレーキ化した上で、オーバーランドA3に流用するにあたって(ヤヤコシイ)、最大の制約となるのは、パーキングブレーキワイヤーの取り回しです。コイルスプリングやショックアブソーバーとワイヤーが干渉しないよう、キャリパーの位置決めができないとなりません。また、当然ながらブリーザーの位置が上になるように装着しないと、エア抜きができなくなってしまいますので、そういった意味での制約もあります。
 見たところ微妙な感じですが、今週中に現車合わせをしてみましょう。ダメならダメで、次の候補も上がっていますし。

 ちなみに、FD3SのキャリパーはナックルAssyで入手したのですが、ナックル部はともかくバックプレートまでアルミ製で、驚きました(思わず磁石で確認してしまいました)。いかにもバブル時代に設計されたクルマですが、そんな時代に図面を描くことができた設計者は、ある意味幸せかも知れません。

2009年6月8日月曜日

コーナーウェイト

 以前より興味のあったA3のコーナーウェイトを、測定してみました。

 ドライバーの有無やスペアタイヤの搭載位置、燃料(相当分のウェイト)の有無などの条件を変え、数パターン測定。バネ上重量を把握するため、アクスル単体重量も計測してみました。

 結果は…意外や意外、ゲージが壊れているのかと疑ったくらい、揃っていました。ドライバー乗車・スペアタイヤ搭載・燃料満タン状態でのクロスウェイトは、50.3:49.7。前後軸重は51.2:48.8でした。

 ちなみに乾燥重量は1,137kg。今後のアクスルスワップやロールケージ装着に伴う重量増を考えると、完成時の車重は1.2トン前後となるはずです。

リアディスク化へ

 三菱ジープ用への換装を既に決めているリアアクスルですが、同時にブレーキの変更を検討しています。

 三菱ジープのアクスル(リアブレーキ)へ、パーキングブレーキ機構を設ける必要があって、ドラムインディスク化を目論んでみたものの、なかなかコレという“材料”が見あたりません(加工前提ですが)。ドラム式であれば、エスクード(〜2世代目)のリアブレーキが比較的流用しやすそうに思えますが、ひとたび三菱ジープのブレーキのバックプレートの板厚を見てしまった後では…、エスクード用を使う気がおこりません。ちょっとスペース的にも厳しそうですし。

 で、安直ながら、パーキングブレーキ機構付のキャリパーを流用したディスク化の方向で、“材料”を集めています。

 もちろんドラムインディスクに比べると、パーキングブレーキの拘束力が劣るのは、承知の上。四輪駆動車では、昔のビッグホーンやMuがこの方式で不評でしたが、こちらは車重1.15トンのクルマなので、許容範囲に収まるのではないかと思っています。レバーもステッキ式ではないし。


AUVERLAND

 このWeblogのメインテーマであるAUVERLAND A3の概要については、リンク先のWikipediaへどうぞ。

 ちなみに日本に輸入された2台のA3のうち、現在私が手を入れているのは、ガソリンモデルの方です。ガソリンモデルの作業が終わり次第、もう1台(ディーゼルモデル)のレストレーションを行うつもりですが、それは果たしていつの日か。

はじめてみます

 仏蘭西製四輪駆動車・オーバーランドA3の話題を中心とした、ウェブログを記していきます。
 本業の「筆休め」を兼ねた備忘録になると思いますが、どうぞよろしく。