2009年10月29日木曜日

参考書

 ナンバー付の車両を改造するにあたって、避けて通れないのが「改造申請」です。規制緩和により、改造申請のハードルが低くなるに従い、web上でも情報が得られるようになりましたが、それらを書籍として正式にまとめたものが「改造自動車等取扱いの解説」(交文社刊)です。

 運輸省(現国土交通省)自動車交通局技術安全部技術企画課推薦(長っ!)というだけあって、この専門書は陸運局の現場で実際に使用されているものです。内容は改造自動車の届出の必要な範囲、つまりどのような改造を行うと改造自動車となるのかの定義に始まり、届出手続に不可欠な各種強度計算式が示されており、なかなか読み応えがあります。

 基本的にトラックやバスの架装を想定した内容なので、的外れな部分もありますが、具体的な計算式は大いに参考になります。例えば、最大安定傾斜角度やプロペラシャフトの強度計算式、車軸強度やフレーム強度、ハブボルトの計算式なども掲載されており、届出に必要となる基本的な計算式は、ほぼ網羅されているように思います。また具体例には、トラックのホイールベース(フレーム)延長の申請例も取り上げられていて、あらぬことを妄想してしまいます。

 専門書の例に違わず全頁モノクロで写真は1点もなく、4,587円と高価なのが残念ですが、これを必要とする方にとっては、価格相応の価値がある「良書」だと思います。ISBNコードがないためamazonでは取り扱っておらず、一般書店での取り寄せは難しいかも知れませんが、陸事内にある整備振興会の売店に置いてある場合もあります。もちろん、発行元から直接取り寄せることもできるはずです。


「改造自動車等取扱いの解説
改造自動車取扱い検討委員会編
定価:4,587円

発行:株式会社交文社
東京都新宿区早稲田鶴巻町570
Tel:03-3202-7660


2009年10月28日水曜日

ミッション搭載

 代替のベルハウジングが届いたので、長らく降りたままだったトランスミッション/トランスファを、車体に積み込むことにしました。

 ベルハウジングを再度検品し、問題がないことを確認した後、トランスミッションに装着。接合部に、信頼の「トヨタ・シールパッキンブラック」を塗布した後、ボルトで結合します。
 A3のトランスミッションとトランスファは結合構造なのですが、シャシー側のワークスペースの制約から、車体からの脱着はアッセンブリーで行います。とはいっても、トランスミッションとトランスファのアッセンブリーでも重量は66kgですので、ミッションジャッキさえあれば、さして苦にはなりません。

 メンドラのスプライン部の先端がテーパー加工されていることもあって、エンジンとミッションの結合は、毎回スムーズに行えます。三菱ジープのKM140型などは、スプライン端がほとんど面取りされていないため、なかなか勘合してくれませんが、そのような苦労もありません。ミッション/ファーがさして重くないため、人力で角度の微調整や押し込みが容易く行えるというのも、大きな違いでしょう。

 エンジンとベルハウジングを固定した所で、クラッチケーブルを接続しクラッチがきちんと機能しているかを確認します。これを怠ると、すべて作業を終えてから組付ミスが発覚するという、最悪の事態を招きかねません。幸いにして自分はそのような経験をしていませんが、クラッチ交換作業後の試走で、使った中古カバーが不良品だということが判明し、愕然となった仲間がいました。作業途中での確認を怠るべからず、ですね。

 久しぶりにパワートレインが車体に戻って、スッキリしました。アクスルもそうですが、車体から降ろしておくと、意外と場所をふさぐものです。

2009年10月27日火曜日

スプリングレートテスター

 コーナーウェイトゲージを導入して、やりたかったことのひとつが、スプリングレートテスターとして活用すること。油圧プレスやダイヤルゲージを併用し、サスペンションのコイルスプリングのレートを、正確に測定したかったのです。

 実は、以前からこの方法でスプリングレートを測定していたのですが、なにぶん使用していたのが“タニタの体重計”でした。両国界隈で売っているものならともかくも、家庭用の体重計では150kgまでしか荷重を掛けることができないため、あくまで「参考値」としていたのです。
 というのも、コイルスプリングのレートは、理想的には圧縮初期から線間密着するまで一定であるはずですが(プログレッシブレートのスプリングを除く)、実際には圧縮されるに従って、レートが僅かに高くなります。つまり、走行時のスプリングレートを把握するには、走行状態(1G)に相当する荷重をスプリングにかけて測定しないと、正確なレートが求められません。そのため、最大ひょう量150kgの体重計では、目盛が足らないのです。一時は体重計を2台使って…などと、考えたこともありましたが、コーナーウェイトゲージを導入したことで、解決に至りました。

 果たして、コーナーウェイトゲージを用いて測定した結果は…、予想通り体重計で測定したスプリングレートより、高めに算出されました。しかし、体重計での測定結果は思いのほか正確で、その差は5%程度に収まっていました。
 もちろん、スプリングの材質や製法により違いがあるので、一概にはいえませんが、出所不明スプリングのレートをあたる程度であれば、体重計を使った測定法でも充分でしょう。あるいは、ジムニーのような軽量車であれば、体重計を使ったとしても、走行状態に近い条件でレート測定できるはずです。

 ちなみにこの方法で、1G(車両装着)状態でのスプリング長と同寸になるまで圧縮し、その時の体重計ないしコーナーウェイトゲージの指示値を見れば、車両のバネ上重量が比較的容易かつ正確に「逆算」できます(注:リジッドサスペンション車の場合)。

2009年10月23日金曜日

輪荷重と重心位置、重心高

 業務(といっても自動車整備業の類に非ず)でどうしても必要になることから、コーナーウェイトゲージを導入しました。ご存じの通り、コーナーウェイトゲージとは、車重を1輪ごと(いわゆる輪荷重)に測定する重量計のことで、以前余所からお借りしてA3を測定したこともありました。

 今回選択したのは、レース業界御用達・アメリカのINTERCOMP社製のベーシックモデル・SW500。とはいえ、単に重量を表示するだけに止まらず、多彩な機能を備えており、これがなかなか「使える」のです。

 四輪駆動車の設計思想の違いとして、ジープとジムニーを例に挙げ、パワートレインの搭載位置の違いに伴う重心高の差が、指摘されることがあります。しかしながら重心高の違いについて、数値的な裏付けがなされたことは皆無ではないでしょうか?
 この重心高、コーナーウェイトゲージがあれば算出できるのです。これは「傾斜測定法」と呼ばれ、水平状態での軸重と傾斜状態での軸重をそれぞれ測定し、傾斜角をもとに計算するのです。
 今回導入したコーナーウェイトゲージのアドバンテージが、この重心高の表示機能。ホイールベースとトレッド、アクスルハイト、そして傾斜(車高変化)の値を入力するだけで、測定データをもとに重心位置と重心高を瞬時に表示してくれるのです。

 夜な夜な英文説明書を読破し、機能と操作方法を把握できたら、無性にA3の重心高を測定したくなりました。重心高が分かれば最大安定傾斜角も算出できますので、トレッドとホイールベースの近い三菱ジープ(20系)やジムニー(JB33/43)と、数値上の比較をしてみようか…などと、興味は尽きません。あるいは、メーカーの謳い文句通り、ホンダのミニバンは本当に低重心なのかも、確かめたくなってしまいます。


 ちなみに一番最初に測定してみたのはウチの駄犬で、前荷重65%という結果でした。FF車並にフロントヘビーなのですね、イヌって。

2009年10月21日水曜日

イツパンデンポウハヤスカツタ

 改めて調べてみると、一般電報・本文53文字の電報料金は840円(税込)。慶弔用の台紙を使わないと、意外にリーズナブルなのですね。

 ならば…



「ジエリカンガカラダツタ」 「オレタノハヒダリガワ」



なんて、打ってみようか。

2009年10月20日火曜日

NRTからの電報

 玄関のチャイムが鳴ったので出てみると、なぜか私宛の電報! 身内で慶弔事もないですし、「カネオクレタノム」の電報ならこちらが打ちたい位ですので、何かと思って開封してみると…


 お届け台紙名『一般』

 成田空港にお荷物が届いています。
 電話番号不明のため、ご連絡ください。


なるほど、ね。

 そもそもの原因は、米国にある発送元の会社が、配送先(当方)の電話番号を伝票に記入しなかったこと。荷物が成田に到着後、通関で必要な事項を確認しようにも当方に電話ができず、某貨物会社は何とも原始的な「電報」を打って連絡を取った…、という訳でした。

 通関前に荷物の内容確認を求められることは、時々あります。民間貨物会社は電話で済ませるのが一般的ですが、航空郵便(EMS)だと連絡用のはがきが送られてきます。もっともはがきでは、届くまでに最低1日は掛かりますから、律儀な某民間貨物会社は、今回のような場合にはスピード優先で電報を使っているのかもしれません。

 で、わざわざ電報を打ってまで連絡を頂いたので、早速電話を入れて一件落着。明後日午前中に配達されるようです。

 それにしても電報って、思いもよらない用途で使われることもあるのですね。

2009年10月19日月曜日

代替ベルハウジング到着

 加工寸法不良のため、代替品を手配していたベルハウジング。ついでに発注しようと思っていた部品の見積等の都合もあって、フランスからの出荷が遅れていましたが、先週末手元に届きました。

 再度のトラブルを回避するために、「出荷前に現品を確認の後、発送してほしい」とe-mailに書き添えておいたのですが、きちんと現場にも伝わっていたようです。代替品のベルハウジングに、本来別部品(=別勘定)として設定されている、ベアリングガイドとオイルシール、そしてピボットピン(レリーズフォークの支点)まで組み込まれた状態で、送られてきました。
 ロックタイトを塗布した形跡があったので、念のため圧入部の寸法をノギスで簡易計測してみましたが、規定通りの内径に加工されていました。やはり問題のベルハウジングは加工寸法不良だった訳ですが、代替品を送って頂けましたので「不問」としましょう。

 手が空いたところでベルハウジングをミッションに装着し、パワートレインを車体に戻す予定にしていますが、貧乏性ゆえ2個の不良ベルハウジングが、どうしても捨てられません。何か有効な使い道はないものでしょうか、溶かす以外に。

2009年10月17日土曜日

英国車の品質

 昨年、ディスカバリーのエンジン(200Tdi)の腰上をオーバーホールしました。その際に気づいたのが、バルブリテーナーに入ったヘアーラインクラック。同じローバーでも乗用車用のK型エンジンでは定番のトラブルで、サーキットで暴れるとバルブが燃焼室内に脱落することがあるらしいのですが、ディーゼルエンジンでこのような不具合の事例は、あまり聞いたことがありません。

 焼結合金製と思われる200Tdiのバルブリテーナーですが、程度に違いこそあれ、4気筒8本のバルブすべてにヘアーラインクラックが入っていました。直ちに破断するようなものではないにせよ、走行15万km程度のディーゼルエンジンでは、通常あり得ないものだと思います。
 このトラブルが、固有の問題であるのかを検証するため、部品取りのエンジンも分解してみたのですが、残念ながら全く同じようにヘアーラインクラックが見られました。また、このエンジンを複数O/Hした経験のある方に伺っても、決して珍しくないトラブルとの話で、どうやら製造あるいは設計段階での問題のようです。

 樹脂成型のクオリティや電装品の信頼性が低いのはともかくも、バルブリテーナーのような重要基幹部品の品質管理がこのようでは、英国資本の自動車メーカーが市場から淘汰された理由が、分かるような気がします。

2009年10月15日木曜日

背筋が凍るハブボルト

 A3のリアにスワップするために譲り受けた、三菱Jeep(J58)のリアアクスル。屋外放置されていたものではなく、取り外す直前まで車両とともに稼働していたアクスルでしたが、よくよく見ると右側のハブボルトが5本とも危機的な状態でした。

 金属疲労によりハブボルトが破断するという事例は、まれに耳にしますが、このジープのハブボルトは腐食が進行し、首下の部分が痩せ細っていました。このまま使用し続けていればそう遠からずうちにボルトが破断し、タイヤの脱落事故を引き起こしていたはずです。
 ちょうどブレーキドラムで隠れる部分で腐食が発生しているため、タイヤ交換の際に状況が確認できないことも、ここまで状況を悪化させた要因でしょう。それにしても状況を見る限り、昨今始まった腐食ではないので、どうして過去のブレーキ整備の際に気づかなかったのか? という疑問は残ります。
 
 破断のリスクを考えると、ハブボルトは「定期交換部品」とまではいえないものの、一定年数以上経過した車両では、念のために交換しておきたい部品です。このジープのアクスルでも、左側のハブボルトが健全だったのは、過去に順ネジへ打ち替えられていたためです。年式を考えれば、右側も同時に打ち替えるべきだったでしょう。

2009年10月13日火曜日

廃品利用なハイテンションコード

 先日、とある車種用のハイテンションコードを頂きました。いわゆる「棚ずれ」の新品なのですが、残念ながら当該車種は手元にないため、長さと端子形状を確認し、手持ちの車に流用できないかを検証してみることに。

 結果、A3に流用するには長さが不足していたため、ちょうど交換時期を迎えていた下駄車のtwingoに使うことにしました。
 ただし、端子形状が異なるため、長さを揃えた上でtwingoに適した端子へと変更する必要があります。
 そこで、A3に使うため取り寄せておいた、ハイテンションコード用端子と専用ダイスを使用して、組み上げることにしました。一部ブーツは再利用しましたが、「1回目」なので、まだ大丈夫でしょう。
 
 海外では、コードと端子、ブーツがセットになった、汎用のハイテンションコード(イグニッションリード)キットが普通かつ廉価に販売されていますので、取り回しの変更に伴い、純正のイグニッションコードが使えなくなった場合などに重宝します。しかも、V8用のキットを購入すれば、4気筒車なら2台分作れますので、コストパフォーマンスは悪くありません。もっとも、最近の車はダイレクトイグニッションなので、無用でしょうが。

 
 ちなみに、某赤い国産ハイテンションコードは、「各気筒用のコードの抵抗値を揃えることで、均一の火花エネルギーをもたらす」と謳っていますが、twingoのハイテンションコードは、純正状態でも4気筒の抵抗値がきちんと揃えられています。

 「さすがルノー」と、驚くことなかれ。単に長さがすべて同じというだけのことです…。

2009年10月10日土曜日

たかがムシまわし、されどムシまわし

 先日入手した、smartのパンク修理キットに入っていた、バルブのムシ(バルブコア)まわし。改めて見てみると、これがなかなか気の利いた「アイディア工具」でした。

 ムシまわしというと、ドライバー形状のものが一般的で、これといった性能差を感じにくい工具です。品質の向上に伴い、バルブからのエア漏れといったトラブルもなくなり、普通に車と接している分には一生使わない工具かも知れませんが、オフローダーにとってはタイヤの空気圧を手際よく落とす際の必需品です。

 smartの付属品として備えられていた、オーストリア・VENTREX社製のムシまわしで感心したのは、グリップ内部にバルブコアが収納されていること。しかもムシを出し入れするグリップエンドのキャップが、バルブキャップとなっており、いずれも作業時に万が一紛失してしまった際の、スペアとなっているのです。
 もちろん、グリップ部の樹脂成型を見ても、高級工具の類でないことは明らかですが、一度でもムシを飛ばして探し回った経験があると、このさりげなく気の利いたムシまわしの価値が分かるというものです。
 こうした機能性のみならず、手の中に収まるサイズも適切で使いやすく、工具として買っても良いと思わせるものですが、残念ながら国内では流通していないようです。それらしきガイシャの解体車から調達するというのが、最も現実的な入手法でしょうか。

 ちなみに、日本車の純正パンク修理キットをいくつか見てみましたが、案の定というべきか、何の変哲もない安っぽいムシまわしとスペアのバルブコアが、ビニール袋に入っているだけでした。

2009年10月9日金曜日

リヤバンパー

 A3の純正リアバンパーは絶対的な強度が不足気味で、クリアランスを損なっていることから、作り直すことにしました。

 純正のバンパーは断面が「コ」の字形状で、ファイナルメンバーに被せるように固定するのですが、障害物との接触を考えると、もう少しボディエンドから突出させるのがベターです。
 しかし純正の取付位置のまま、ただ突出させてしまうと、デパーチャーアングルを損なうことになりかねません。そこで固定位置を高くできるよう、ファイナルメンバーに溶接されたステーから作り替えることにしました。

 バンパー本体の部材は、以前定盤の専用台を製作した時の端材で、50×100mmの角パイプ。ボルトを貫通させて固定するため、潰れ防止のスリーブを入れて溶接してあります。また、バンパーの中央部は曲げ加工をした鋼板を組み合わせることで、フックが必要以上に突出しないよう、配慮してみました。

 ちなみにこのバンパーの固定位置、写真では低く見えますが、実際のグランドクリアランスはバンパー下面で65cm以上確保しています。

2009年10月7日水曜日

スマートな日

 仕事の打ち合わせで某所に出かけた際、いつものように廃車置き場をチェックすると、事故車のsmartに目が留まりました。車体は使い物にならないのですが、シートの構造が特徴的でなかなか面白そうだったので、頂いて帰ることに…。

 後方から見るとフルバケットシート風デザインのシートは、シートバックがシェル構造となっており、ハンマートーンで塗装された鋼板製のシェルが剥き出しとなっています。後部座席の乗員への配慮が不要な2シーター車だからこそ採り得た構造ですが、見方によってはストイックな仕上がりで、これだけでも好感が持てます。
 着座部の構造はフルバケットシートとは異なっており、背部の生地はシェルに対してハンモック構造で吊られています。このため、背中への“当たり”は優しく、クッション性が確保されているあたりは、純正シートならではの配慮でしょう。
 座面部は鋼板製のシェルの上にウレタンが蓄積された構造となっているため、不出来な社外品のように「底」が抜けてしまう心配はありません。平面的で薄く見える座面ですが、ヒップポイントにあたる部分のシェルは掘り下げられていて、ウレタンのボリュームがきちんと確保されています。座り心地は固めで、ドイツ車の定石通りといった感じですが、構造上経年劣化によるヘタリも少ないようです。ちなみに製造元を確認すると、フランスのフォレシア社でした。欧州最大の自動車用シートメーカーです。

 助手席用はリクライニングしないといった制約もあるのですが、汎用レールを採用していることや、最大幅が49cmと車名通りのスマートなシートであることから、意外と他車流用に適していると思います。もっとも当方のA3には、すでにフルバケットシートを装着していますので、smartのシートは仲間内に放出する予定なのですが。

 
 シートを剥いだ後、車内を漁っていると、スペアタイヤの代替品であるパンク修理キット(コンチネンタル製)が出てきました。修理剤とともに小さなエアコンプレッサーもあったので、とりあえず確保。残念ながら、オフロードタイヤのエアチャージに使えるような代物ではありませんので、トゥインゴのトランクに放り込んでおきましょう。もちろん、スペアタイヤを降ろすつもりは毛頭ありませんけれども。

※ 訪問先は自動車リサイクル法に則った会社です。念のため。

2009年10月6日火曜日

「頂き物」でダブルカルダン化

 この週末、肉体労働と引き替えに、某所からXJチェロキーのフロントプロペラシャフトを頂戴しました。当初は「研究用」くらいにしか思っていなかったのですが、ふと胸騒ぎがしてA3のフロントプロペラシャフトと並べてみると…、何と長さが同じではありませんか!

 もちろん長さが同一というだけであれば、あえて交換する理由はないのですが、ご存じのようにXJのフロントプロペラシャフトは、等速性を持たせるためダブルカルダンを採用しています。つまり、XJのプロペラシャフトに交換できれば、A3のフロントプロペラシャフトをダブルカルダン化できることになるのです。

 ただし、さすがにボルトオンで装着という訳にはいきません。フロントアクスルをCJ7用にスワップしているため、デフ側は無加工で固定できるのですが、問題はトランスファー側。XJのトランスファーのヨークは、カルダンを直接固定するタイプのため、通常のコンパニオンフランジを採用するA3のトランスファーとの取付互換性がないのです。

 そこで目を付けたのが、TJ用のダブルカルダンプロペラシャフト。いわゆる「テールコーンエリミネーター」を装着したTJ用のリアプロペラシャフトは、トランスファー側の固定が通常のフランジ形状となっているのです。
 で、これまた頂き物(重ねて感謝)の、TJ用ダブルカルダンプロペラシャフトがあったりしまして、分解してフランジ部をチェック。すると、XJのプロペラシャフト(ダブルカルダン)との組付互換性があり、追加工をすればA3のトランスファーに装着できるようになることが分かりました。調べるとダブルカルダン用のフランジも規格品で、単体でも入手できるようです。

 A3のフロントプロペラシャフトは、作動角が比較的大きいこともあって、そのうちダブルカルダン化したいと思ってはいたのですが、このように極めてローコストに実現できるとなれば、実行に移すほかありません。モチベーションが高い今のうちに、フランジの加工を依頼してきましょう。

2009年10月1日木曜日

ID:22mmのCoolant Hose

 横置きでの搭載を前提に基本設計されたプジョー製のエンジンを、縦置きで搭載しているA3は、インテークやクーラントのパイピングの取り回しに、少なからず無理があります。

 以前、ラジエータをFord Escort Cosworth用の社外品に交換した目的のひとつが、ラジエータパイピングの取り回しを適正化することにありました。しかし、何せサーモスタットがエンジンのバルクヘッド側にあるため、構造上どうしても長いホースを使わざるを得ない箇所もあります。
 そのひとつが、ラジエータのサブタンクへとつながるホースです。A3は欧州車の定石に従ってサブタンク加圧式で、ラジエータキャップもサブタンクに装着されます。当然、サブタンクへとつながるホースは通常よりも太く、内径が22mm(7/8inch)というものです。
 このホース、長さが30cm程度であれば他車流用を検討するのですが、A3には100cmほど必要になるため、汎用のホースを探さなくてはなりません。そこで、ブリヂストンの工業用耐熱ホース等のラインナップを見たのですが、残念ながら22mmはなく、19mm(3/4inch)か25.4mm(1inch)になってしまいます。どうやら日本国内において、一般的なサイズではないようです。

 もちろん、メーカーから素直に部品で取れば、何ら悩むことはないのですが、ホースだけのために外為送金するのもロスになってしまいます。そこでwebを徘徊してみると、海外ではさして珍しくないサイズのようで、小口で切り売り対応しているUKの業者が見つかりました。GOODYEAR製というのがやや気になりますが、送料を入れても¥1500/m!ですので、背に腹は代えられません。近々取り寄せてみるつもりです。
 
 このクーラントホースに限らず、例えばエアロッカーのナイロンチューブやID:7mmの燃料ホースなど、海外では流通しているものの、日本では規格外となるホースは、結構ありますね。