昨年、ディスカバリーのエンジン(200Tdi)の腰上をオーバーホールしました。その際に気づいたのが、バルブリテーナーに入ったヘアーラインクラック。同じローバーでも乗用車用のK型エンジンでは定番のトラブルで、サーキットで暴れるとバルブが燃焼室内に脱落することがあるらしいのですが、ディーゼルエンジンでこのような不具合の事例は、あまり聞いたことがありません。
焼結合金製と思われる200Tdiのバルブリテーナーですが、程度に違いこそあれ、4気筒8本のバルブすべてにヘアーラインクラックが入っていました。直ちに破断するようなものではないにせよ、走行15万km程度のディーゼルエンジンでは、通常あり得ないものだと思います。
このトラブルが、固有の問題であるのかを検証するため、部品取りのエンジンも分解してみたのですが、残念ながら全く同じようにヘアーラインクラックが見られました。また、このエンジンを複数O/Hした経験のある方に伺っても、決して珍しくないトラブルとの話で、どうやら製造あるいは設計段階での問題のようです。
樹脂成型のクオリティや電装品の信頼性が低いのはともかくも、バルブリテーナーのような重要基幹部品の品質管理がこのようでは、英国資本の自動車メーカーが市場から淘汰された理由が、分かるような気がします。
2009年10月17日土曜日
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