2009年10月10日土曜日

たかがムシまわし、されどムシまわし

 先日入手した、smartのパンク修理キットに入っていた、バルブのムシ(バルブコア)まわし。改めて見てみると、これがなかなか気の利いた「アイディア工具」でした。

 ムシまわしというと、ドライバー形状のものが一般的で、これといった性能差を感じにくい工具です。品質の向上に伴い、バルブからのエア漏れといったトラブルもなくなり、普通に車と接している分には一生使わない工具かも知れませんが、オフローダーにとってはタイヤの空気圧を手際よく落とす際の必需品です。

 smartの付属品として備えられていた、オーストリア・VENTREX社製のムシまわしで感心したのは、グリップ内部にバルブコアが収納されていること。しかもムシを出し入れするグリップエンドのキャップが、バルブキャップとなっており、いずれも作業時に万が一紛失してしまった際の、スペアとなっているのです。
 もちろん、グリップ部の樹脂成型を見ても、高級工具の類でないことは明らかですが、一度でもムシを飛ばして探し回った経験があると、このさりげなく気の利いたムシまわしの価値が分かるというものです。
 こうした機能性のみならず、手の中に収まるサイズも適切で使いやすく、工具として買っても良いと思わせるものですが、残念ながら国内では流通していないようです。それらしきガイシャの解体車から調達するというのが、最も現実的な入手法でしょうか。

 ちなみに、日本車の純正パンク修理キットをいくつか見てみましたが、案の定というべきか、何の変哲もない安っぽいムシまわしとスペアのバルブコアが、ビニール袋に入っているだけでした。

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