仕事の打ち合わせで某所に出かけた際、いつものように廃車置き場をチェックすると、事故車のsmartに目が留まりました。車体は使い物にならないのですが、シートの構造が特徴的でなかなか面白そうだったので、頂いて帰ることに…。
後方から見るとフルバケットシート風デザインのシートは、シートバックがシェル構造となっており、ハンマートーンで塗装された鋼板製のシェルが剥き出しとなっています。後部座席の乗員への配慮が不要な2シーター車だからこそ採り得た構造ですが、見方によってはストイックな仕上がりで、これだけでも好感が持てます。
着座部の構造はフルバケットシートとは異なっており、背部の生地はシェルに対してハンモック構造で吊られています。このため、背中への“当たり”は優しく、クッション性が確保されているあたりは、純正シートならではの配慮でしょう。
座面部は鋼板製のシェルの上にウレタンが蓄積された構造となっているため、不出来な社外品のように「底」が抜けてしまう心配はありません。平面的で薄く見える座面ですが、ヒップポイントにあたる部分のシェルは掘り下げられていて、ウレタンのボリュームがきちんと確保されています。座り心地は固めで、ドイツ車の定石通りといった感じですが、構造上経年劣化によるヘタリも少ないようです。ちなみに製造元を確認すると、フランスのフォレシア社でした。欧州最大の自動車用シートメーカーです。
助手席用はリクライニングしないといった制約もあるのですが、汎用レールを採用していることや、最大幅が49cmと車名通りのスマートなシートであることから、意外と他車流用に適していると思います。もっとも当方のA3には、すでにフルバケットシートを装着していますので、smartのシートは仲間内に放出する予定なのですが。
シートを剥いだ後、車内を漁っていると、スペアタイヤの代替品であるパンク修理キット(コンチネンタル製)が出てきました。修理剤とともに小さなエアコンプレッサーもあったので、とりあえず確保。残念ながら、オフロードタイヤのエアチャージに使えるような代物ではありませんので、トゥインゴのトランクに放り込んでおきましょう。もちろん、スペアタイヤを降ろすつもりは毛頭ありませんけれども。
※ 訪問先は自動車リサイクル法に則った会社です。念のため。
2009年10月7日水曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿