
着座部の構造はフルバケットシートとは異なっており、背部の生地はシェルに対してハンモック構造で吊られています。このため、背中への“当たり”は優しく、クッション性が確保されているあたりは、純正シートならではの配慮でしょう。
座面部は鋼板製のシェルの上にウレタンが蓄積された構造となっているため、不出来な社外品のように「底」が抜けてしまう心配はありません。平面的で薄く見える座面ですが、ヒップポイントにあたる部分のシェルは掘り下げられていて、ウレタンのボリュームがきちんと確保されています。座り心地は固めで、ドイツ車の定石通りといった感じですが、構造上経年劣化によるヘタリも少ないようです。ちなみに製造元を確認すると、フランスのフォレシア社でした。欧州最大の自動車用シートメーカーです。
助手席用はリクライニングしないといった制約もあるのですが、汎用レールを採用していることや、最大幅が49cmと車名通りのスマートなシートであることから、意外と他車流用に適していると思います。もっとも当方のA3には、すでにフルバケットシートを装着していますので、smartのシートは仲間内に放出する予定なのですが。

※ 訪問先は自動車リサイクル法に則った会社です。念のため。
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