以前渡仏した際に、オーバーランド(パナール)社を訪問し、従業員の方の“プライベートマシン(A3Fベース)”に試乗させて頂きました。そのA3Fは外観こそ冴えない(失礼!)ものの、「ファクトリーワーカー」の特権を生かした加工が各所に施されており、実に素晴らしい仕上がりでした。
感心したもののひとつが、「FF」も選択できるように加工されていた、トランスファです。フロントアウトプット側に本来備わるハウジング(駆動断続のためのドグクラッチを内蔵)を、リアアウトプット側にも追加することで「FF化」しているのですが、言うは易し行うは難し。今回、分解したトランスファを改めて観察してみて、「FF化」するにはアウトプットシャフトの加工も不可欠であると分かり、氏が「加工は大変だった」と語っていた理由が、実感できた次第です。(写真は「FF化」のために、リアアウトプット部に追加されたハウジング。フロントアウトプット側に本来備わるハウジングの転用ですが、溶接痕からも苦労が偲ばれます。)
自らのA3のトランスファを分解するにあたり、実はこの「FF」加工にも少し「興味」を持っていました。しかし事前に予想していた通り、リアアウトプット部にドグクラッチを追加すると、トランスファの全長が伸びてしまい、クロスメンバーと干渉してしまいます。従業員の方のA3Fは、エンジン・ミッション・トランスファの固定位置を、車両前方に移動(恐らく50mm程度)することで干渉を避けているようですが、当方のA3ではエンジンの直前にウインチをマウントしていることもあり、パワーユニットは移動できません。よって、「FF」加工も諦めることにしました。
もちろん、どうしても「FF」加工するのであれば、クロスメンバーの位置や形状を変更すれば、解決はできるでしょう。ただ、なまじ「FF」加工ができてしまうと、またしてもクルマの完成が遅れることは必至ですので、今回ばかりは悪あがきせず「できなくて良かった」と思うことにしています。
2009年9月3日木曜日
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