A3のプロペラシャフトに使用されているユニバーサルジョイントは、トランスファ側とデフ側とでサイズが異なります。デフ側は一般的な規格サイズである「SAE-1310」で、TJや三菱ジープ(ナロウ)とも共通なのですが、トランスファ側はあまり一般的ではない「1300」なのです。このように、プロペラシャフトの両端で、使用するユニバーサルジョイントのサイズを変えることは、通常ありません。あえてそのようにした理由が分からずにいましたが、今回ようやくその謎が解けました。

つまり、ローバー互換のコンパニオンフランジを採用したトランスファに接続するため、A3のプロペラシャフトのトランスファ側ヨークは、ローバーのプロペラシャフトと同一のヨークを使用しているのです。
一方、当時のA3のアクスルはダナ準拠のGKN製でしたので、デフ側には「1310」を使用したのでしょう。いうなれば、プロペラシャフトで「辻褄合わせ」をしていたことになります。
調べてみるとローバーのユニバーサルジョイントは、80年代後半に「1310」から「1300」へと「サイズダウン」されているようで、より高負荷に耐える「1310」サイズのユニバーサルジョイントを使用した社外のダブルカルダンプロペラシャフトが、アメリカなどで販売されています。
ローバー用のフランジは、スパイサーの汎用品にはラインナップされていない特殊サイズです。しかし、調べ上げた結果、スパイサーのダブルカルダンハウジングに組み合わせることのできる、ローバー用サイズのCVフランジを単品で販売している所が見つかりました。
つまり、このローバー用CVフランジを入手し、先のXJのフロントプロペラシャフトに組み合わせれば、A3にボルトオンで装着できるダブルカルダンプロペラシャフトが、完成するという訳です。
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