2009年11月5日木曜日

「角度計」は万能ツール

 車のシャシー、とりわけサスペンションに手を入れる上で必要不可欠となるのが、角度計です。最近では高精度のデジタル式も安くなりましたが、私が以前から使用しているのは、単純なアナログ式のものです。

 アクスルスワップの際のキャスター角の設定を含め、このアナログ式の角度計をこれまで使ってみた限りでは、想像以上に正確です。日本ではシンワ測定(株)が取り扱っているこの角度計は、中国だか台湾のメーカーがAcuAngleという名称で製造しているものですが、自動車のレース用品として扱うメーカーもあるくらいですから、そこそこの精度が出ているのだと思います。

 それはともあれ、角度計が役立つ場面は多岐にわたります。例えば、サスペンションをリフトした際のキャスター角の変化や、プロペラシャフトの作動角も、これひとつで確認できます。最小読取値0.2°、角度精度±0.6°という測定精度も、シャシーの組立精度を考えれば必要にして充分ですが、奥まった部分など、目盛りが読み取りにくい所で測定する場合には、やはりデジタル式の方が便利でしょう。

 今回は、A3のロワーアームのフレーム側ピボットの角度を、再確認してみました。ローバーも同様ですが、アーム端が貫通するピボットのプレート部とロワーアームは、設計時の想定車高で90°(直角)になるよう、作られています。このため、スプリングを交換して車高が変化すると、串刺部分のブッシュに負荷が掛かり、早期の劣化を招くことにもなりかねません。
 これを補正するには、アーム端の角度を調整する、つまりアームを途中で曲げる等の加工が必要になります。そして、どれくらいアームの角度を修正すれば、適正な補正値が得られるかを算出するにあたり、ベースデータとなるのが、この角度計による実測値なのです。

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