フロントミッドシップレイアウトにより生まれたスペースを活用し、当方のA3はエンジンルーム内に電動ウインチを装着しています。エンジンルーム内といっても、フロントアクスルの真上にあたる位置に搭載しているため、当然そのままではクラッチの切替レバーが操作できません。
そこで以前から、フロントグリル下で遠隔操作する方法を検討していました。ひとつの案として、1/4inのラチェットハンドル用のユニバーサルジョイントを使用し、延長したロッドを回転して操作する方法を考えていたのですが、改めてWARNのサイトを見ると、ロッドを押し引きすることで遠隔操作するタイプの「リモートクラッチ」なる製品がありました。
実は、この「押し引き操作」タイプも以前検討したことがあるのですが、クランクを用いる構造上、クラッチレバーの回転角が180度に届きません(押し切らない/引き切らない)。本来のクラッチレバーの作動角は180度ですから、これでは角度が不足する、つまり切替が確実に行われない(中途半端となる)恐れがあると、懸念していたのです。ただ、純正品として販売されているのであれば問題はないのだろうと思い、手元にあったウインチのカットモデルを使って検証したところ、実用上問題ないことが確認できました。
で、製品の構造を参考にし、早速製作してみることにしました。まずはウインチのレバーを根本からカットして、キャップボルトを溶接。さらにボルト断面を、位置決めのためD字型に切削した上で、A2024のフラットバーから切り出したクランクを組み合わせました。ロッドはメンバー等との干渉を避けるには何カ所も曲げざるを得ないので、剛性を確保する目的でSUS304を選択。また関節部にはリンクボール(ロッドエンド)を使用することで、遊びを最小限としてみました。
完成まであと1歩のところで時間切れとなってしまいましたが、試しに操作してみると、問題なく動作しました。これでウインチのクラッチ操作は、フロントグリル下の「握り玉」を押し引きすることで、確実に行えるようになるでしょう。
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