2010年1月18日月曜日

等速ジョイントの潤滑

 オイルの極限性能が問われるようなクルマとは縁遠い当方ですが、ケミカルブランドであるWAKO'Sの製品は、いくつか指名買いしているものがあります。具体的には、エアゾールタイプのスレッドコンパウンドやリチウムグリース、そして「赤グリース」などを愛用していますが、先日仕事で使ってみたのが、以前より噂を耳にしていた「バーフィールドグリース」です。

 オンロードのサーキットカーなどで、等速ジョイントのトラブルが頻発している場合に使用すると、明らかに寿命が延びるというウワサの、このグリース。競技車両用とすることで、耐久性(経年劣化という意)を犠牲にしてまで潤滑性能を高めたとメーカーが謳うグリースは、果たしてどれだけ違うものなのか、確かめてみたかったのです。
 1kg¥8,500の缶を恐る恐る開封し、ヘラですくい上げた瞬間、違いがハッキリと分かりました。まるで納豆のようにグリースが糸を引き、納豆をかき混ぜた箸の如くヘラを空中でかき回すようにしないと、グリースの「糸」が切れないのです。潤滑性能や極圧性能の違いは、目視で分かるものではありませんが、この付着性の高さは尋常ではありません。
 走行中、ドライブシャフトは高速回転しているが故、等速ジョイント内部に押し込まれたグリースは、遠心力によって周囲に飛散しがちです。その対策として、付着性の高い専用グリースを設定しているのでしょう。四輪駆動車でのドライブシャフトの破損は、多くの場合瞬間的な衝撃による破断ですので、あまり効果は期待できないでしょうが、等速ジョイント室が疲労損壊するようなトラブルは、このグリースを使用することで「緩和」できるかも知れません。

 ちなみに当方、等速ジョイントをオイルで潤滑している英国車にも乗っていますが、オイル潤滑方式のナックルには、常々疑問を感じています。確かに、潤滑性能だけを考えるのなら「理想」のようにも思えますが、現実はスイベル部のオイルシールの耐久性が低く、気密性を継続的に確保するには構造的な限界があるといわざるを得ません。そして、オイルが失われた時のリスクの大きさ(等速ジョイント破損)をも考えると、一般的なグリース潤滑式に勝るメリットがあるとは、とても思えないのです。ディフェンダーの等速ジョイントが後年、グリース潤滑に改められたのも、賢明な判断といえるでしょう。

2 件のコメント:

  1. いっそのこと、チェーンソーオイルじゃ・・・ダメだろうな(爆)

    失礼しました~

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  2. たかむらさん>
    さすがにチェーンソーオイルは…(無言)
    しかし、ローバー純正のCVグリースをディーラーで買うことを思えば、ワコーズのバーフィールドグリースの値段は、あながち高いとは言い切れませんね。
    まあ、比較の問題ですが。

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