2010年2月3日水曜日

アクスルスワップとピニオンアングル

 フロントに続き、リアアクスルの換装作業に着手すべく、下準備に取りかかることにしました。

 以前フロントアクスルを組み上げた際には、ブラケットの類を切り落としたアクスルハウジングを定盤の上にのせ、角度計を使用し適切なキャスター角を設定。それに合わせてスプリングやアームのブラケットを溶接する手順をとりました。
 
 対するリアは、キャスター角の制約がないため、ピニオンアングルを基準にビルドアップしていくことになります。今回は三菱ジープのリアアクスルのハウジングに、新たに製作したスプリングの受けやアームブラケット類を、正確に位置決めしながら溶接し、組み上げていきます。

 ピニオンアングルの適正化とは、プロペラシャフトの異音や振動を抑えるために、プロペラシャフト両端のクロスジョイントの作動角を揃えることを、意味します(ダブルカルダン等の等速ジョイントを採用している場合は異なります)。
 以前、50mm程度リフトしたジムニーを実測したところ、作動角に約4°の違いが見られました。ノーマル車高での作動角は、当然ながら揃えられていますが、メーカーが設定した車高を変えるとなると、補正が不可欠となる訳です。

 この作動角を適正化するには、アーム長を調整したり、あるいは偏芯ブッシュを使用したリセッティングが考えられますが、一方でコイルスプリングの受皿やショックマウントの角度についても配慮しなくてはなりません。現実として、アクスルのブラケット類に手を入れないとなると、ある程度の線で妥協せざるを得ないのが、実状でしょう。

 対して、ブラケット類をすべて溶接し直すアクスルスワップは、こうした制約がありません。最終的な車高をもとにしたピニオンアングルが設定できるという、アクスルスワップならではの利点を生かすためにも、キッチリとしたビルドアップを行なわなくてはなりませんね。

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